帰ってきた男

その日、拙者は「王様の仕立て屋」の新刊を購入しホクホク顔で
帰ってきた所、ポストに一通の手紙を見つけた。
「…む? カムバックキャンペーン?」
それは遠く久しいラグオルからの招待状だった…。
三日の間、無料にてラグオルの地へと戻れるという大変うれしい
品であった。
ガラムマサラがまずこれを察知し、仲間内に連絡をまわすと
あっという間に懐かしいメンツがパイオニア2にと集う。

「いやぁ久々に帰ったものだが、…覚えてるものでござるな」
「同感。体が覚えてるというか…」
拙者とMatukuがHucastのボディを駆り、ラグオルの地におりる。
久々の前衛職。剣主体の突貫戦闘を思う存分堪能する。
そして、この男も………。
「ククク、メギドメギドメギドグランツっ!!」
「ちょっ 耳元擦るのはよせというのにっ」
「フハハハ! 楽しいぞっ!」
水を得た魚、鬼に金棒、なんとかに刃物。ハカセは思う存分テクを
ふるっていた。

そして、たのしかった三日間が瞬く間に消化されていく。

ちゃんとシャベルタイン、イプシロン、オルガ・フロウ、そして
ダークファルスに挨拶回りを終える事ができた拙者たちは
最後のひとときをまったりと過ごしていた。
そこにるーがやってきた。
「こんばんわー。ハカセにZANさん…と、初めまして?」
Matukuが誰だか分からないらしい。
「いや、会ってるから」
「うむ、なじみだぞ?」
「知らない仲じゃないぞ?」
三者三様に否定する。るーは一生懸命思い出そうとして、思いつく限りの
名前を並べていく。
「フィロさん!」
「ちげっ」
「ヴァレスさん!」
「PSOにキャラいないでござるよ」
「ユーグさん?」
「ソレはさっきまで居た」
延々と名前を連ねるがなかなかかすらない。どころか正解からどんどん遠ざかっていく。
「うううう?; 誰だろう?」
「むう、わかった」
Matukuは仕方ない、と相づちを打つ。
「CCしてくる」
ルーの分かるキャラ、ガラムマサラにCCしようというのだ。
が、その瞬間ハカセがある事に気がついた。
「! まてっ!」
しゅんっ
だが、その言葉は一足遅く、Matukuの姿は消えた。
「く、なんということだ…」
蒼白になるハカセ。いや、もともと色白なんだが。
しかし拙者にはなにがそんなにまずいのか分からなかった。
「このタイミング、あるいは…いや、無理だな」
自己完結するハカセ。
「?! ああ!」
今度はるーが弾かれるように叫んだ。
なんだ? 一体何があったんだ?
「ZANさん、時間が…」
時間? 今00時02分…ってああああ!!!
「三日間のキャンペーンが、終わったる…」
こ、このタイミングで?
「ど、どうしよう?」
「メッセにもおらんな…連絡がつかんぞ?」
二人の会話をよそに拙者はあわてて携帯メールを送る。
”まさか、インできなくなったのでは? 無理して課金するなよ?;”
速攻で返事が返ってきた。
”いや、こんな終わりかたはイヤすぎるΣb”
”Σおおおおちつけぇぇっ! はやまるなぁぁっ!”
”も う お そ い”
返事とともにガラムマサラがINしてきた。
「……」
「……」
「……」
「……」
何とも言えないいやぁな空気が立ちこめる。
拙者はソレを払拭しようとEp2クエを勧めると、皆も首向してくれた。
「では、拙者が部屋を作るでござるよ」
努めて明るく言って部屋を作る。
次いで、ハカセが入ってきて、消えた。
「?!」
そのあと、ガラム殿とるーが入ってくる。
「あれ? ハカセは?」
「先に入ったはずだが」
「…落ちた」
ほどなくしてハカセが帰ってきた
「ふ、ふふふ、ふはははっ どーして1DAYチケットなくなってしまったんだーー!」
叫ぶハカセ、肩を叩くガラムマサラ。
そしてやおらこちらをにらむ二人。
「「さあ!」」
さあ!って……。ちょ、まてぇぇいっ?!


拙者がラグオルに一ヶ月の滞在が決定した瞬間であった。


※ちなみにるーは
「あ、ボク新PC買うまでちょっとECOお休みで、こっちに課金してるんだ」
とのことである。

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