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拙者とレイシック その2

 唐突だがゴールデンウィークに手術をすることになった。
 レイシックの手術というのはどうも掛かる時間が短いと言うことがイメージとして先行しているが、先日の検査もしかり、それなりに時間が掛かるモノである。

 なにより検査が多い。手術当日も検査をうけてから手術となり、術後も検査。でもって翌日、一週間後、一ヶ月後と検査があるという。

 拙者は連休中に手術を申し込んだので翌日の検査のお休みの中となった。

 5月5日、午後2時半。手術を受ける為に有楽町へ。

 先日やったのと同じように機械で視力を測定し、cの字を使った視力健診も行う。
 違いは暗所での検査や眼球自体に触れる検査はなかった。
 その後、フロアを移動して手術へ。
 麻酔は点眼液によるものだけ。当然意識もはっきりした状態で行われる。
※なお、近視矯正手術に関する詳しいことは拙者のブログでは省く事にさせて頂く。そうしたことが気になる方は「エキシマレーザー」や「レーシック」と言った単語でぐぐってくだされ。詳しい説明がわんさか出てくるでござるよ。
 まあ、行程としてフラップ作成>レーザー照射という流れだと覚えて置いて下され。
で、まずはフラップ作成。角膜を薄くスライスして手術野を作る行程である。
 この行程も機械が行ってくれる。拙者はベルトコンベアに乗せられた冷凍マグロのようにじーっとしてるだけで、上にきた機械が手術を行ってくれる。
 まず、点眼液で麻酔をされて上を向いていると顔の前に機械がやってくる。
それなりに強い光を浴びせられるのだが目は痛くない。ただ視界が光で覆い尽くされる。
 「はい、じゃあ固定していきますねー。…まずは右目から」
 看護婦の言葉の後、機械音がして「うぎょっ」と眼球が固定される。
 この固定が痛い。どういう感じかというとあれだ、サランラップの筒を覗くように目に当ててぐいぐいっと押しつけたような感じ。上から白目を圧迫して眼球が動かないように固定しているらしい。当然瞬きもできなくなる。

 「はい、じゃちょっとそのままでいて下さいね~」
 ジーっという音がしていくと、20秒ほどで視界がぼやけた。
 どうやら角膜がスライスされて厚みが変わった為、視界がぼやけたらしい。

 「じゃ、左目行きますね~」
 こちらも「うぎょっ」と固定されて同じようにフラップが作成される。

 「はい、お疲れ様でした~。じゃ、立って下さいね~」

 そう、この手術のすごいところはなんと「フラップ作成」と「エキシマレーザー照射」は別の部屋で行われるというところなのである。その為、拙者は次の部屋に移動しなければならないのだ……歩いて;

 なにせフラップ作成されてしまっているので視点が若干おぼつかない。

 いやそれ以前に術中に歩かせられる手術って一体;

 廊下に出ると拙者と同じように被験者がふらふらと歩いている。付き添いの看護婦さんに背中を抱えられる様はまるで酔っぱらいだ。
 ああは成りたくないなと、すたすたと進んだら怒られた。
 「ちょ、ちょっと危ないですからゆっくりいって下さい~!」
 まあ、たしかにここでぶつかったりしたら大事でござろうなぁ。
 で、次の手術室まで行くと、部屋の手前の椅子で待機させられる。
 すると座った瞬間、「ぎゅわあああああああああっ!」という機械音が部屋から聞こえだした。すわなにごと?!
 しばらくすると音が収まり、ドアから被験者が出てくる。なにかをやり遂げられてしまった顔をしてたのは気のせいでござろうか?

 「はい、斬奸さんどうぞー」
 今までとは違い、男性の声が掛かる。執刀医らしい。
 執刀医といっても、やはり実際の作業は機械が行うので操作パネルの向こうにいる。
 「ではそこに横になって下さい。…はい、OK、そのまま動かないで…そのまま、そのまま…」
 執刀医が呪文のように「そのまま」を繰り返してる間に助手がてきぱきと準備をしていく。拙者の目に点眼麻酔を施し、拘束具を目にはめ込み、さいごにそこに大量の液体を注ぐ。目の回りの拘束具が眼球を押さえると同時に掘のように目を囲み、そこが池のようになるわけだ。
 「はい、では真ん中の赤い点を見て下さい…赤い点ですよー……はい、そのまま」
 ガチン、ぶおおおおおおおお、と音が鳴り始めると、助手が秒数を読み上げていく
 「…10秒です」
 「はいそのまま…動かないで下さいねー。いま一番大事なところですから……そのまま、そのまま……」
 「…20秒です」
 「そのまま……そのまま……そう、そのまま」
 ピー、ガチン。
 「はい、では左目いきますねー」

 こうして、拙者の両目の手術は都合1分と掛からずに終了した。あっけないモノである。

 「お疲れ様でしたー」
 「では斬奸さん、こちらへ……」
 今度は暗い応接間に通された。拙者以外の被験者もそれぞれ壁際に並べられた椅子に座っている。
 「ではコチラでしばらく目を閉じてお休み下さい。寝ちゃわないようにお願いしますね」
 暗所、無音、気疲れから解放された状態というここで気のゆるみから寝てしまう人もいるそうな。そうなると無意識に目をこすってしまう事もあり、大変危険だそうでござる。

 ちなみに術後歩いてくるまで、眼鏡もなしにクリアな視界がすでに得られていた。驚きである。

 その部屋で20分ほど待たされると、最後に目薬と保護用サングラスの説明をうけ、明るい待合室に通された。会計処理をして手術当日は終了となった。

 さて、ここで皆が気になるお値段について記載しておこう。
 拙者の場合、スーパーうんたらレイシックという手術をうけた。
 平日のこの手術の料金は17.8万円。(割引金額-1万を含む)
 さらにGW特価で3000円引きの17.5万円
 これに保険請求用の診断書作成で9000円がかかって合計18.4万円。
 ただし拙者の場合この後保険請求で10万円が手術手当として支給されることになる。
 ぶっちゃけると費用的には8.4万円がコストとなる。乱視で視力が低い拙者にとって眼鏡4本でおつりが来る計算だった。

 手術後…保護用のサングラスをかけるとまつげが引っかかったのはご愛敬である。

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拙者とレイシック その1

 新年度となって、拙者もイロイロと身の回りのことを見直し始めた。
 ここ数年で拙者自身を取り巻く環境が劇的に変化している、仕事、棲家、etc…。
 そこで保険も見直してみようと十数年来のやり取りをしている保険屋さんに相談した所、ある事実が発覚した。
 「あ、斬奸さんの保険はレイシックも出ますね、手術見舞い」
 …なん…だと?

 というわけで4月の終わりにやってきたのが有楽町にある大手矯正眼科。

 ビルの3フロアを占有するという大型病院である。
 手術自体はほんの30分で終わる。入院の必要はないなど事前情報をもとに検査に訪れたわけなのだが、まずはその広さと客の入りに驚かされる。まるで免許更新センターのような賑わいだった。
 で、ここで拙者どーすればいいのでござろう?
 待たされること20分、漸く声が掛かると奥の部屋に通される。そこは眼球検査用の機材がずらーーーっと並んだ大広間であった。
無論これらがすべて違う機械というわけではない。違う種類の機材が1セットごとにテーブルに並べられ、そのテーブルが大体30卓くらい、ならんで次々に患者が送り込まれているのだ。
 無論拙者を待っていたのはそれらの機材による検査につぐ検査。3種類の機材の前に順繰りに座らされ、検査を終えると今度はおなじみの視力検査を念入りに行われる。
 その後、今度はカーテンで区切られた暗い部屋へ通される。そこでもまた3種類の機材の前に座らされ、検査をされていく。
 これで漸く終わり、と思ったら今度はまた普通の明るさの待合室に通される。次は眼球の黒目の検査とか。
 しかしここまで順繰りに送られ待たされていると、なんだかベルトコンベアーの上に乗せられたような気がする。そして長い; 時計を見れば来院してからもう二時間近く掛かっていた。
 「斬奸さ~ん、こちらへどうぞ~」
 若い看護婦に通され、カーテンで仕切られた診察台の上に。
 「瞳孔の奥を調べる為に点眼液で瞳孔を開きます~。しばらく視力調整がうまくいかなくなりますが~、お車の運転とか大丈夫ですか~」
 瞳孔開いて運転は出金だろうなぁと思いつつ首肯すると、ぴぴっと点眼液をうたれた。
 「天井見ててくださいね~」
 天井を見上げる。知らない天…ゲフンゲフンなんでもござらん。どこにでもあるOAボードの天井だ。
 そんなことを考えていると看護婦がとんでもないことを言った。
 「はい~、それじゃあ瞳孔の厚みを測るために触りますねー」
 …はい?
 黒目は白目と違って痛覚がある。だからホコリが入ったりして違和感を感じるわけだ。拙者、眼鏡が煩わしくてハードコンタクトをいれようとしたところボロボロ涙が出てどーしようもなかったので断念した記憶が…。
 ぴとん。
 って回想するヒマもナシでござるか?!
 ぽよんぽよん、ぴとん。
 「ん~、もう一回計りますね~」
 ぴとん、ぴとん、ぽよん
 拙者なすがまま。
 「はい、左目もはかります~」
 ぴとん、ぽよんぽよん
 なにやら細い検査器具で瞳孔を突っついている。あんなものでなにが分かるのか分からないがとにかく黒目の厚みが分かるらしい。痛みはないが…あ、なんかつっついてる感覚が分かる(嫌。

 その後、医師による問診がおこなわれ、拙者は解放された。
 結局その日は3時間以上、ここに拘束されたことになる。

 追記
 瞳孔を開く薬とやらは2時間以上その効果を発揮し、一定距離(約1m20Cm)以外では焦点が合わず、手元も奥もぼやけるという大変笑える状態になり申した。
おかげでパソコンつかいづらいったら;;