PSO食いしん坊万歳(マンセー) 06

バトンを回したELD殿の様子を窺いに行って、拙者がシャーウィン殿に笑顔でかかと落としを食らっているその時、拙者の頭の中でハムスターが回し車をからから回していた。(※以前、ある友人が走馬灯のことをねずみの回し車と勘違いしていたことがあり、それが発覚してからZANの頭の中の走馬灯もこれに置き換えられた。現在、アスバルとフィロの頭の中の走馬灯もこれに変わっているらしい)
そう、この危険度はあの時と一緒だ、とーーー

■第六回 リリーの冷菜・マリネ風

皆さんこんにちは、今日はちょっと趣向を変えてスタジオを飛び出してみました!

「いや、それはいいでござるが…こうなると誰がしゃべってるかわかりづらくなるでござるよ」

「そうですね、ZANさんとわたしでかぶっちゃいますから」

あ、じゃあZANさんは『』でお願いします。

『なんで拙者が…って、もうなってるしっ!』

細かいこと気にするロボはほっといて…見てくださいこの景色、洞窟の中だというのにこう、滝が流れて虹がかかってますねぇ。

「洞窟でも隋一の景色ですからね、こんなところでの料理もまた格別です」

ちょっとしたハイキングって感じですね(じゃきん)

「…いや、ハイキングに大剣は持ってこないと思う…」

『まったくでござる』

いいの、これ好きなんだから。さて、今日はリリーのマリネです。

(きゃっきゃっきゃっ)

あ、言ってるそばから材料が現れました。いけ、ロボ!

『な、なんで拙者が』

「あー、リリーは毒や麻痺をかけてきますからね、相手をするのはレベルが低くともロボが最適でしょう」

『れ、レベルが低い?!』

だって…(Lv120)

「ねえ(Lv122)」

『……(Lv103)』

さ、ごー!

『シクシクシク…』

(げしんげしんげしん…ぎえええ)

「はい、こうやって倒したところで手早くバータで氷付けにするわけですね」

(ぐぽんっ! ばちんっ…ばたり)

「ばたり?」

…あれ? 先生、たしかリリーの毒はロボには通用しないはずでは…?

「おっかしーな。…あ」



「Ultのリリーにはメギド(一撃死)があるのを忘れていました」

『……』

「え、えーとそれでは…ラグオル食いしん坊万歳。来週もまた見てくださいねー」

んっが、くっく


「……ううう、 Tatsu殿、やっぱりリリーはムリが」
「あ、ZANさん、気がついた?」
む、この声はフィロ殿…。
メモリチェック、タイムレコード確認…。セルフコンディションチェック…。いくつかのプログラムを走らせつつ、拙者は思考を開始する。
そうか、拙者はあのかかと落としを喰らって気絶したのでござるか…。
各センサー確認…聴覚OK、発声システム、問題なし…。触覚、ジャイロ、嗅覚系よし……。第六感センサー…む、まだ若干の乱れが…。あとは視覚系か…。
拙者はうっすらと目を開ける。そこには、ドアップのオブリリー。
「~~~~~~~~~!!!!!!!」
ヒューズぷちん。拙者ぱたり。
「あああ! ZANさん! メギちゃん! ZANさんどうしちゃったの?」
問われたメギド花、メギちゃんはおろおろと左右を見渡すと、ぱっとプラカードを上げた。
[わかり・まさん]

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なんとまぁ

驚いたことに、D因子研究所が今、とんでもない人数になっている。
それもめったやたらに声かけまくったから、とかではない。
今まで別チームに所属してた人達が、こぞって参加してくれているのである。
といっても人数は16名程度なので、大手チームにくらぶるべくもないのだが。

しかしおかげで、これまで困難と思われたULTチームクエコンドリュー退治なども
徒党を組んでローラー作戦を実行することが出来たり、また新人千吏殿のULT入りもあり
総督府クエの進行を手伝ってあげられたり、大変活動が活発になってきている。

PSUが発売され、多くの者たちがパイオニア2を後にしたのだが、
どうやらここは、まだがんばれるらしい。
毎回INするたびにメールをくれるKei殿や、拙者の趣味話などに大変のりのりに
なってくれるハイアームズ殿や、なにかとこちらを気にかけてくれる廃神・ZER殿、
抹茶のメンバー達など、多くの友に恵まれている。

なんとまぁ。幸福な日々であることか。願わくば、この幸せが皆のものでありますように。

…ハカセ、そこで検体用のベットの発注をしないように。余韻がガタガタになるでござる。

キャラデートバトン

キャラデートバトン というのが千吏殿からまわってきたでござる。
えー、なになに? 架空のキャラクター(アニメ・漫画・ゲームなんでもいい)と
デートしたい人を選んで下さい……?

【まず初めにデートしたいキャラを選ぶ】
むう、そうでござるな。…ではネコ仙人のイチカ殿
分からない御仁は神野オキナ著「あそびにいくヨ!」を読むでござるよ。
ついでに「南国戦隊シュレイオー」も読むとなおよし。
【1 告白はどちらから?】
誘うのは拙者だから、拙者からだな。

【2 携帯電話はどちらから?】
それも拙者でござろう。誘うほうだし。

【3 初デートはいつ?】
いつって…季節か? んー、夏か春か…冬はダメそうでござるな、ネコだし。

【4 お誘いはどちらから?】
む、だから拙者だと…。

【5 どこへ行った?】
んー。そうだな夏ならガルダバル島の海岸とか…。ワンフェスとかキャラホビとかでもいいし(ぇ

【6 その時どこまで進んだ?】
どこまで…海岸でだったらのんびりとだし、ワンフェスだったら冥府魔道だし。むう。

【7 デートはどのくらい?】
予算は3万円まで! それ以上の購入は不可!(なんの話だ)

【8 帰り道は送る?送られる?】
送るでござるな。え? このガレキ全部担いで?! それはちょっと!(滝汗

【9 貴方と相手は相思相愛?】
あー、拙者の片思いでござるな。 忙しそうな御仁だし。
だがまあ、デートに行って損はないと思うでござるよ。

【10 回す人】
うむ。ここは投げつけたら面白そうな人に投げねばならんな…。
ELD殿。…くれぐれも嫁さんにみつからないようにな。
ハイアームズ殿。…ラブレス家の使用人、ロベルタ・チスネロス殿などいかがでござる?

PSO食いしん坊万歳(マンセー) 05

ラグオルからグラール太陽系へとの移住組も一段落した今日この頃。
喫茶店ハイアームズもずいぶんと静かになっていた。
「なんだか寂しいものでござるな」
拙者がそう呟くとマスターのハイアームズ殿が轢きたての熱いコーヒーを淹れて、出してくれた。
「でも、また戻ってくるかもしれませんよ?」
「む?」
「11月でグラール太陽系のほうも設備投資が一段落ですからね、そこで初めて続けるか、戻るか考えている人たちも少なくないとか」
「ああ、フィロ殿も言ってたな」
「そうなるとまた、懐かしい面々が帰ってくるかもしれませんしね。自分はここで、いつでもコーヒーを出せるようにしておくだけですよ」
そういってグラスを磨くマスター。渋い。渋過ぎる。さすがナイスガイ。
「ふむ、それはそうなのだが…ん?」
拙者はそこでカウンターの中に置かれた武器に気がついた。
「マスター、それは?」
「ああ、これはウチのステアロウのチェーンソードですよ。先日チェーンを張り替えたいと言われましてね、預かっていたんです」
「ふむ。チェーンソードか…。懐かしいでござるな」
「ZANさんも使ってましたか」
「いや、拙者ではなく、拙者の友人がな…」
そういって、拙者は遠い記憶に思いをはせたーーー

■第五回 ブーマのハンバーグきこり風

皆さんこんばんわ、ラグオルの食いしん坊万歳でござる。

さて本日は拙者が司会を勤めさせてもらうでござる。当然、現地調達員はAYU殿でござる。…たまには現場の苦労も知るでござるよ

「あ、あのー、ZANさん(そんなこと言ってると後が怖いんじゃ…)」

スタジオにはいつもどおりTatsu殿にきていただいてるでござる。さて、今日の料理は?

「あ、ええっと、ブーマを使ったハンバーグを作ってみようと思いまして」

…ハンバーグとはいえ、肉から作るとなると、これまた手の込んだ料理でござるな?

「ああ、でもそんなに難しい料理じゃないんです。まあ、ひき肉にするのにはミキサーを使いますんで手間としてはそんなにかからないほうなんですよ」

ほほう、なんかはじめて料理番組みたいなこと言ってるでござるな。

「ホントw で、まあ、本日は付け合せなどの細かいことは置いといて、お肉の味付けで勝負しようといろいろ香辛料を用意してみました」

なるほど、するとあとは肉のみでござるな。

「ええ」

では、ここで現場のAYU殿を呼び出して見るでござるよ。

「AYUちゃーん?w」

『(ちゅいいいいいいいいいいいん)』

「……(汗」

この軽快な音は…(汗)

『(ざしゅん、ざしゅん、ざしゅん)』

「チェーンソード、ですね??」

『(ぐおおお。ざしゅんざしゅんざざしゅしゅん!)』

…AYU殿?

『殺っ殺っ殺っ殺っ殺っ殺っ殺っ!』

……(汗)

「(冷や汗)」

『殺すです、切るです、すり潰すです!』

「い、いやー、すり潰すのはこっちにミキサーがあるから…」

『(ざしゅんざしゅんざしゅん!!)』

…これは、いかんでござるな(汗)

「完璧に戦闘種族の血が目覚めちゃってますね」

『2!』

え? 2って…いや、ブーマだけでいいんだから2までいく必要は…おーい

「こりゃドラゴン倒すまで戻ってきませんね…」

え、えーとそれでは…ラグオル食いしん坊万歳。来週もまた見てくださいでござるー。

「んっが、くっく」

---回想終了。
「あ、あれ? ZANさん、コーヒー口に合わなかったですか?」
カウンターに視線を落とした拙者に、珍しくおろおろした声をかけるハイアームズ殿であった。

PSO食いしん坊万歳(マンセー)04

その日、ユーグ殿が拙者を尋ねてきた。
「珍しいでござるな、拙者に質問など…」
「うん、内容が内容だからね」
そう言って手にしたビデオテープを見せる。ラベルには…『PSO食いしん坊004/バラエティ』と書かれていた。
「まてっ。あの番組はれっきとした料理番組でバラエティではーーー」
「料理作ってるの、見たことないよ?」
「うっぐっ」
「それよりさ、おかしなことがあるんだよね。ちょっと見てくれる?」
「……」

■第四回 ドラゴンの串焼き

皆さんこんにちは、ラグオル食いしん坊万歳。今日はドラゴンの串焼きです。

「……」

あれ? どうしたんです先生、黙り込んじゃって?

「いや、大丈夫かなぁ、ござる(注:ZANのこと)」

ああ、『ハードのドラゴンなどホホイノホイでござるよ』とかかっこつけてましたね。

「おまけにテレパイプもメイトも置いてっちゃって…」

よほど自信があったんでしょうね?

「まあ、確かに破竹の勢いで進んでますね、あ、ヒルデベア倒した」

『クックック。ここまできて体力は半分以上残っている。…この勝負、もらった!』

…勝負?

「なにそれ?」

『いざ、参る!』

ああ、聞いちゃいませんね、あの“ござる”は。

「でも大口たたくことはありますよ、器用にマシンガンとグレイブ使い分けてるし」

でももう体力1/3残ってませんよ。

「いや、それだけあれば」

『(ぎえぇえぇえぇ)』

「ほら、断末魔」

『クックック…む、ドラスレ?!(タッタッタッ)』



「い」

『ぅわあぁぁっ(ずずーん、ぷち)』

……

「……」

…えーと

『……シクシクシク』

つまり、なんですか? 倒したドラゴンの死体につぶされたと?

「当然、強制送還なのでドラゴンの肉はありません」

『装備がぁ、拙者のバーニンググレイブ(星9つ)がぁ』

あ、倒したフラグがたってるので再挑戦して武器回収も不可能っと…

『しくしくしく』

…えーでは、ラグオル食いしん坊万歳。来週もまた見てくださいねー。

「んっが、くっく」

「ほら! ここですよここ!」
「だからなんでござる…」
>『装備がぁ、拙者のバーニンググレイブ(星9つ)がぁ』
「ここですってばっ!」
>『装備がぁ、拙者のバーニンググレイブ(星9つ)がぁ』
「何度も再生するなっ」
げいん。
「いったーー! 星が! 目から星がっ!」
「スイッチ押すときと変わらん程度に加減してるでござる!」
「……ああっ! 頭が欠けてる?!」
「帽子がへこんでるだけでござろう」
「あ、ホントだ」
「…で、なんでござる?」
「いや、なんでか知らないけどZANさんの武器がどうかしたかのような発言があるでしょ? 別段戦闘不能になっても武器落としたりなんかしないよね?」
「ああ、そのことでござるか…この番組が放送していた当時はまだパイオニア2の転送システムの調整が不完全でな。戦闘時に装着してた武器に関しては戦闘不能状態になると手放してしまい、一緒に転送されなかったのでござるよ」
「へぇ」
「その名残がバトルシステムでござるな。あれはほら、戦闘不能になると装備してた武器がおちるでござろう?」
「おお、なるほどー」
「まあ、普通の所だったら歩いて取りに行けたのだがな…ああいうふうにフラグが立っちゃうと撮りに戻れなかったのでござるよ(涙 う、うぐぐ。拙者のバーニンググレイブ…」
「ZANさん…」
「拙者のアレストレイガン、拙者のインペリアルピック、拙者のーーー」
「いくつ落としたんだよっ!」

PSO食いしん坊万歳(マンセー)03

その日、ハイアームズ氏のところに届けられた荷物には差出人の明記がなかった。
だが彼はそのことを別段いぶかしむでもなく、電子レンジ型の解析機に放り込む。
ややあってグリーンのランプがともる。電子サイズのマイクロマシンによる解析では
ガスや爆発物といった危険な兆候は見受けられない。ついでに解析機の液晶で内部構造体のワイヤーフレーム画像を表示し、トラップの類いも確認を済ませる。が、そこで彼は頭をひねった。
そこに映し出されてたのが8mmのオープンリールフィルムなどという骨董品だったからだ。
ややあって、彼は映写機を用意すると、そのテープを壁に映した。

■第三回 バルシャークの姿煮

ラグオル食いしん坊万歳、今日はバルシャークの姿煮です。

「はい、バルシャークは栄養価も高く体が温まります。姿煮は香辛料を用いて臭みを飛ばしますがそれによっていっそう食欲が促進されるわけです」

寒い季節にはうってつけのお料理ですね。

「ええ、そんなわけで今日はちょっと足を伸ばして洞窟3へ、ZANさんに行ってもらってます。ZANさん?」




…?

「応答がありませんね」

…えーと、ZANさーん?

「やっぱり応答がありませんが、これはもしかして」

あーっと。やっぱりですか?

『しくしく』

あ、戻ってきたようです。ZANさん?

『いきなりサーバーから切断されたでござるよ』

やっぱり。

「なるなる」

まあ、仕方ないですよ。気を取り直して洞窟3へ向かってください。

『…いや、それが…』

何か問題でも?

『サーバーから切断されたら出しといたテレパイプが…』



『消えてしまって、いけなくなってしまったでござる』

「……」

えーと…え? もう放送時間いっぱい? …それでは皆さん、また来週も見てくださいね。

『んっが、くっくでござるよ・・・トホホ』


テープが終わると、彼はため息をついて映写機から取り外し、ダストシュートにフィルムを捨て、それからふと呟いた。
「…しまった、不燃ゴミは今朝だったか」

PSO食いしん坊万歳(マンセー)02

千吏さんや、先日好評じゃったウチのアンドロイドの番組をまた入手したのでデータを送りますぞい。
=DAN=

■第二話 ラッピーのホイル焼き

皆さんこんばんわラグオルの郷土料理を紹介するPSO食いしん坊万歳(マンセー)。

本日は森の幻の珍味・ラッピーのホイル焼きです。では、Tatsu@先生どうぞ。

「OKOK やはり鳥は焼き鳥に限ります」

というわけで今日も現地調達員のZANさん?

『クックック…』

「・・・? なぜに笑てるの?」

『ククク、弱い、弱すぎるぞトリw』

……

「……」

『フハハハ、貴様らの攻撃など痛くも痒くもないわっ。Lv81のこの身に貴様らノーマルの攻撃など、もはや何の痛痒も感じぬでござる!(ドカっドカっ「ピギャッ」)』

あー、いっちゃってますねー。

「イっちゃってますね。ZANさん?」

『クックック…』

おーい、ござるー。

『…はっ?! 拙者今まで何を??』

もどったw

「おかーw」

『むぅ』

ZANさん、食材は確保できましたか?

『はい。なぜか拙者の周りにはラッピーの死体が散乱しているでござる』

なぜかって…あんたがやったんでしょうが。

「あー」



「それはー」

『?』

「擬態」

『(ドタタタタタ)』

…いまのは?

「ラッピーは逃げ足が速いですから」

『逃がすかぁっ!(バシンっ、ドテ、ムク、ドタタタ…)』

「あ、逃げられましたね」

…ZANさん。

『……』

ZANさーん?

『も』

「も?」

『モノメイトじゃ駄目でござるか?』

「駄目でござる」

えー、ではPSO食いしん坊万歳(マンセー)。また来週もみてくださいねー

「んっが、くっくっ」

大都会騒動顛末記 六話 ハカセの策謀(その2)

「うなーーーーー!」
突然雄叫びを上げるアンドロイド。
「く、こ、この!」
「ウフw」
「ち、ZANの意識が目覚めたのか?」
全てのセリフが小刻みに震えるアンドロイドのスピーカーから流れる。
「…ZANさん??」
「ぐ、なんとか」
「してくだされ」
苦しげに呻くZAN。だがすぐにそっけない声がそれに続く。
「いやぁ、大丈夫でござるよ」
「ラフと、ハカセがはっきんぐwo」
「ハッキング、というよりはキーボードの奪い合いのような」
そう、そのアリアンロッドの呟きはまさしくこのとき、電脳空間で行われる熾烈な主導権(キーボード)の奪い合いを言い当てていた。
「くっ、ハカセ! なにをしてくれたでござる!」
「我が研究の礎になれることを喜ぶがいいっ!」
「そうだそうだー」
「よろこべるかーーー!!!」
だがそんな熾烈な争いも、外で声だけ聞いている分には間抜けなだけである。なんせ音声は全てZANの物なのだ。できの悪い小話を聞いているような、一人漫才を観ているような感覚である。
「なんか、楽しそう、ですね?」
「ウフ」
「楽しくないッ」
「楽しいぞ?」
アリアンロッド殿がふう、とため息をつく。
「良かったね、ラッフィ」
「ウン」
「てか、ラッフィって誰でござる?」
だがそれにはアリアンロッドは応えず。てくてくと次のエリアへと向かっていく。
「ちょうどサイコウォンドを探していましたので。御花畑へ参りましょう。
「承知でござるぅ」
「ぅをつけるな、ぅを!」
「好感度アップでござるぅ」
「んなわけあるかぁぁぁっ!」
カナリやかましいスピーカーアンドロイドを引き連れて、アリアンロッドが洞窟へと降り立った。
真っ先に出てくる花、花、花。
麻痺攻撃! だがアンドロイドはその攻撃を無効化できる。
「おおおお! 麻痺しない! 麻痺しない!」
「いや、ロボだから当たり前でござるが…」
「フム、なるほどな…あああ、武器をシンセサイザーから変えるなッ」
やかましいことこの上ない。
「えーと、主体は犬なのかしら…?」
「…ハテ?」
「おいおい、半角の時点でばれてるだろう…犬」
「犬じゃねぇ天災」
「天才! ジーニアスのほうだ!」
「…次ぎ行きますか。もっとこう、極限な奴に」
ニヤリとアリアンロッドが笑う。
「ええい、どっちもやめいっ って極限な奴ってこんな状態ででござるか!!」
「もちろん♪ だからこそいくんでしょ? あ、そうだ。極限いっても漫才続けられるようにおかんに来てもらおうかしら」
「うむ、まかせたぞ」
「…こ、これ以上恥を広めないでくだされ!」
ZANの嘆きもむなしく、アリアンロッドはそそくさとシャルテを呼ぶ。
「あらあら。ホントにすごい色になってますわね」
開口一番、シャルテは無残なZANのボディーカラーを見て目を丸くする。
そう、いいように乗っ取られたZANのボディーカラーは絶対普通の人が使わないような、明るい紫をベースにした配色になっているのだ。
はっきり言ってドぎつい…。
「ぐ、これは拙者の」
「拙者いつもとかわらないでござるよ」
「だまれバカ犬!!」
「犬言うな」
一人漫才というのも憚られるようなすごいテンポでZANの口が動く。
シャルテはそれをほほ笑ましく見守る。
というか見守ってないで助けて…。
そうしてる間に洞窟2の花畑まで来てしまった。ここは一瞬の判断遅延で死を招く。
ZANはこのときばかりは身体の操作を優先として愛用のラヴィス未鑑定をーーーってシンセサイザーだしっ!!
武器を慌ててアイテムパックから取り換える。
「あ、こら、変えンじゃね!」
「やかましいっ!」
ZANはとっさにフリーズトラップも設置してリリーの群れに突貫する。奴らは近づけばすぐにはメギドを放たない。先にやらねば! 一撃、二撃とリリーに衝撃波をあびせかける。
三撃目! これで三匹は狩れるはず!
ブン(シンセサイザー)。
「・・・・・・をを?! 当たらないぞ、ござる?!」
「ござるじゃねーー!」
クケケケと笑うリリー。拙者はもう一度シンセサイザーを振り抜いてその横っ面をひっぱたく。
と、その背後のリリーがメギドを放とうとしているのが見て取れた! 回避はーーー間に合わん!
その瞬間、シャルテのギバータが炸裂、同時にトラップが効果を発揮し、辺り一面が凍りついた。
「かたじけないっ!」
ZANは瞬く間に凍りついたリリーを切って捨てた。
「…あ、危なかった」
「持ち替えンなよ、佐助」
「……ええいっ。こんなところで赤い画面など見たくないでござる!」
「ふむ、だが見てみると大分お前の性能というのが分かってきたな。やっぱり我らと比べると天地ほどの差があるぞ、その攻撃力」
「ハカセ! おぬしもそれが見たいだけならこんなことをせんでも……」
「なに、スペック確認はおまけだ」
天災は言い切った。
「本来の目的は…この姿でいろいろいたずらすることだからな。そぉれ女性モーション♪」
くるりと回ってポーズを決めるドぎつい紫のHucast。
「ぶわははは! 佐助サイコーー!w」
「て、てめぇらの血は何色でござるー!!」
「こ、こら佐助、オレを羽交い締めにするな! 操作ができねぇ」
「でえいっ! 拙者のイメージが壊れるでござるっ! さあせるかぁぁっ!」
「ふむ、ではキーボードは私が操作しよう」
「なっ ハカセ!!」
「ハハハハ、所詮アンドロイドの浅知恵だな。そうやってラフを羽交い締めにしていればお前も思うようにキーボードを打つことはできまいッ」
そんな葛藤をシャルテは微笑みを浮かべて眺めている。
「あらあら、たのしそうですねぇ。うふふ。あ、そうだ、ZANさんズ」
「「「……それは我らことか?」」」
「今日はメンテの日だからもう後少しでラグオルにいられなくなりますよ?」
そうだった。今日は定例メンテの日なので、午前11時には転送機のメンテの為、パイオニア2から降りられなくなるのである。
「た、助かった! ではもう今日はここら辺でお開きにーーー」
「ええい、まだデータが足りんのだ! メンテまで時間がない、シャルテ、いくぞ」
「はいはいー」
「誰か拙者の話を聞けぇえぇ!」
結局、ZANはメンテ開始までその姿でラグオルをさまよった。

「ワフ?! もう終わりか!」
「うむ、実験は成功だな…む? どうしたZAN?」
「もう拙者、お婿に行けないでござる…(涙」

大都会騒動顛末記 第六話 ハカセの策謀(その1)

さて、まずここまで読んで頂いた諸兄、続きを待ち望んでいた皆様に、前回から大変時間が経過してしまっていることをおわび申し上げる。大変お待たせしました。
弁解めいていることを承知で告白させて頂ければ、ここまで遅筆になったのも、此処から先の出来事は正直語りたくない。拙者個人の恥を晒すことになるからだった。
何を今更と、諸兄はお思いかもしれない。なるほど、その通り。これまでも様々な事を経験し、傍観し、体現し、演じてきた。その点を指摘されればその通りとしか応えようがない。幾多の事象の中にあって、拙者は喜怒哀楽を感じ、またそれを正直にこの場に書き記すことにより恥もかいてきたかもしれない。
だが、しかし、である。今回の出来事はそれらとは一線を隔するものといえよう。あの出来事は…正直拙者という一ロボットにとってその記憶領域から抹消してしまいたい、出来事であった。
だが、ここまで執筆を続けてきた拙者にも小さいながらも意地がある。ここまで書いたのだ、委細漏らさず書き記してしまおう。それがまかりなりにも一度筆を持ったものの責務である。たとえわずかな人の目にしか留まらず、また砂地に雫がしみ込むように忘れ去られていくものであったとしても、あの出来事を無かったことにすることはできない。そう、あれはその時、まさに起こったのだ。本編をお送りする前に斯様な前書きを用意させて頂いたのは、拙者自身の覚悟を諸兄に心得て頂こうという次第である。このような慇懃な文章を読まされている諸兄においては迷惑この上ないことであろうが、どうか一つ、ご了承頂きたい。そして拙者の身に何が起こったか、シッカリと覚えておいて頂きたい。
前書きの最後として、拙者がこの文章を書くに当たって親身になって相談に乗ってくれたハイアームズ氏、シャルテ氏の両名に謝意を表じたい。ーーーよくもありがとう。


展望室を後にした我々一行はその後、食事をとり、解散となった。
ラファエル、ウィケッド両名は遠方のため、近場に宿を取り、また翌日という運びになる。
その際、明日の行動をどうするか決めようとしたのだが、そこでハカセの爆弾発言があった。
「うむ、ZANのお宅拝見、というのはどうだ?」
はい?
「賛成ー」
アスが真っ先に応える。
「大賛成!!」
ラフが意気込んで応える。
「おぬしら、ちょっとまて! 拙者のトコなんて狭いし汚いしいいことないでござるよ?!」
「えー、でも佐助、泊まる所なかったら泊めてやるとか言ってたぞ?」
「うむ、言っておったな」
それとコレとは状況がちがうっ!
「ふぃ、フィロ殿もなんとか言って下され」
「ちぇー。明日ボクお仕事なんだよなぁ…」
Oh ブルータス! おまえもかっ!
「さあ、というわけで明日の朝、押し掛けるからきりきりと住所を吐け」
「ぐっ」
言葉に詰まった拙者は10時ごろということで確約をとり、住所を教えた。

そして翌日
「フハハハ! ついに潜入したぞ!」
ハカセが高らかに宣言しつつ拙者の部屋に入ってくる。
「秘密のアジトに潜入! さすが俺! さすがナイスガイ!」
朝っぱらからラフもハイテンションだ。
「ああ、よくも来やがったでござるな。うんうん、だがなーーー」
拙者が時計を指さす。
「8時半たぁどういうことでござる!」
「む、貴重な時間を無駄にはできぬからな」
「無駄にしろ!」
「なにをいう、こんな千載一遇のチャンス、そうはないのだぞ?」
「佐助ー。なんか片づいててつまらないー」
「やかましい、昨晩のうちに慌てて片づけたのでござるッ」
叫ぶ拙者の背後でハカセがキラリと目を輝かせる。
「ふむ、ラファエル。そこら辺を物色すると多分色々出てくるぞ」
「了解~」
「あああ、こら! 勝手に開けるな!」
「マラサイどこかな~」
「ってなんでそんなことをおぬしが知ってる?!」
「兄貴に聞いた」
「ハイアームズ殿かっ!! こ、こらそこに並べてあるものをーーー」
と、そこで拙者の記憶が途切れた。
ラフの行動に気を取られた拙者の背後から、ハカセがシステムに強制介入したのである。
「フフフ。見よ! このポータブルアンドロイド停止装置! 天才だからこそできる超小型サイズっ!」
「おおー。よくわかんねぇけどスゲェぜ。佐助が止まっちまった」
ラフが適当に拍手をする。ハカセは鼻高々だ。
「で、佐助止めてどうするのヨ?」
「決まっておろう。実験するのさ。…これを使ってなっ!」
そう言って帽子の中からとり出したのは電話機サイズのアヤシイ箱である。ひどくシンプルな作りでいくつかのライトとスイッチしかついていない。箱の側面にはピンジャックがあり、ハカセは鼻歌交じりでそこにヘッドフォンの様なものを取り付けていく。その数、3つ…。
「なによ、それ?」
「フフフ。これぞ我が研究成果の一つっ! 人格乗っ取り装置だ」
「……?」
ラファエルがなにそれ?という目で機械を見つめる。
「どーみてもサウンドプレイヤーにしかみえないんだが…」
「ぐっ、ちがうっ! これはこっちの青いヘッドフォンをかけた人物を、赤いヘッドフォンをかけた人間が操ることができるという画期的な装置なのだ!」
「ふーん」
「……」
「……」
「……」
「…っってそれすごくね?!」
おそい、遅いぞラファエル。突っ込みたくなる気持ちをぐっと抑えて(なにせ突っ込んでると何時までたっても進展しない)、ハカセはぐっとヘッドフォンをセットした。
では、これよりこのバカアンドロイドを操ってみるぞ!
「なぁなぁ、オレも?」
きらきら目を輝かせるラフに、天災は重々しくうなづいた、
「うむ、ちゃんと赤い方は二つあるだろう」

気がつくと、拙者はすごい違和感を感じた。まるで自分の身体が自分のものではないような、そんな感覚。むう、なんだこれは? うつろな思考で感覚デバイスのチェックをかける。
外部からの入力信号はちゃんと感じられる。だが、どこか曖昧だ。まるでフィルターでもかかっているかのような違和感がある。
視線の先にはラグオルの地表。そして剣を握る拙者の手。装甲はドメスティックな紫色。
…はて?
「大丈夫ですか? ZANさん」
訝しげに拙者にかけられる声は、後ろにいたアリアンロッド殿からだ。
「拙者、大丈夫でござるよ」
と、拙者。はて、何が大丈夫なのだろう?
「そうですか? なんかいつもよりその…大分攻撃を食らっているようですが…」
「そんなことないでござるよぉ」
確かに、アスターク相手に苦戦しすぎだ。普段の拙者なら愛用の紫の剣でずばーっと…ってなんで装備が[シンセサイザー]??
「うおお、絶好調でござるなぁ」
「フフフ、まったくだ」
「まるで中の人が複数いるみたいですねぇ」
その言葉に拙者の意識も完全覚醒した。と、同時に現状把握を開始する。自らの意識体から身体へのアクセスにフィルタがかかっている。受動的データは受け取れるが、こちらからの信号が阻害され、外部からの信号により身体が操作されている。どこから? 拙者の身体はラグオルで単独活動中。外部とのアクセスリンクは確立していない。注意深くアプリケーション層を漁る。見つけた、メモリ空間に広大なスワップファイルを発見。この中からアクセスが行われている。主体となって動いているルーチンは二つ。これは…。
エリア内の敵をどうにか全滅させると、ZANの動きがシンセサイザーを構えたままぴたりと止まる。
「? ZANさん?」
アリアンロッドが声をかけるが、動く気配がない。
「おろ、佐助が動かなくなったぞ?」
「なに?」
声だけが、スピーカーから外に流れる。
何事かとアリアンロッドがZANの目をのぞき込む。
カメラアイのズームレンズ機能が小刻みに震えている。
「……」