地下洞窟の取引 その2

「来た!」
「まだだ。リューカから少し離れるまで待て」
逸るユーグ殿をハイアームズ殿は言葉で制した。その間もライフルの銃口は向こうを狙っている。
「よし、では手はずどおりに…ユーグ殿、テクは使うと気取られる可能性が高い。支援は拙者たちが飛び出してから頼むでござる」
「わ、わかった」

「ビクター。そいつを持って来い」
大柄なレイキャストはELD殿を肩に担いだままゆっくりとグレイネルとシェイドの方へ歩き出す。
シェイドはまだ担がれてるのがELD殿だとは気づいていない。顔が見えないからな。
「待ちたまえ」
シェイドがビクターを制した。
「おあつらえ向きにそこに格好の実験材料がある。ぜひともその男がリリーを操るところを見せてもらおうか?」
「い、いやしかしそれは危険では?」
「なぁに、花の一本や二本、私たちにはどうということはない。だがもし万が一実験が失敗でもしたら、サンプルとしては不適格だということになる。私も研究時間が惜しい」
「判りました…。ビクター、そいつを下ろして縄を解け」

「そろそろでござるな…」
「…堂に入ってますねー、ウィケさん」
あまり関心せんがな。
「姐御、準備は?」
「いつでもいいわよ」
「さっきも言ったとおり、ブラックペーパーの連中には銃を向けないで下され。ややこしくなる」
「心得たわ」
「了解」
「わっかりましたー」

「う…ん? はわ? ここは一体…?」
ELD殿が気がつく。と、その身に大口径の銃口が突きつけられる。
「気がついたようだな。さぁ、お前の能力を見せてもらおうか?」
「え? は?」
ELD殿は辺りを見回し、ようやく自分が置かれた状況を確認する。
「えええ?!」
ちなみに小山のようなビクターが邪魔で、まだブラックペーパーの連中は見えていない。
「さあ、歩け。あの花を従えてこい」
「い、いやそんな?!」
「無理だとは言わせぬ。お前がパイオニア2でリリーを従えてたことはすでに調べがついてる」
「はへ? …あ、あー」
根が善人な為すぐに顔に出るELD殿
「…あれじゃ尻に敷かれるわけね」
Rose殿、的確な突っ込みアリガトウ。
「い、いや、できるよーな、できないよーな?」
「できなきゃ死ぬだけだ」
グレイネルがどん、とELD殿を突き放す。

―――好機!
拙者とROSE殿がはじかれたように飛び出す。
同時にハイアームズ殿が援護射撃。見事その一撃は小太りのレイマーのスプレットニードルを叩き落す。
その機を逃さず、Rose殿のダガーが紅い線を引く。手練のレイマーもあっという間に戦闘不能に追い込まれる。
痩せぎすのヒューマーの反応は素早かった。拙者がちかづくのを察知し、素早くグレイブを振り上げる。
黄色いフォトンの光を引いてその刃が拙者に襲い来る、だが―――。
ガン!という音と共にその攻撃は拙者の盾に防がれる。正確にはグレイブの柄を受け止めた形で。
慌てて間合いを外そうとするヒューマー、だがこちらのほうが早い床から掬い上げるように跳ね上げた鎌の柄頭が奴の胸を強打し、突き飛ばす。。
そこで横に居たビクターと呼ばれたレイキャストが動いた。素早く持ち上げたハンドガンでこちらに狙いをつける。が、その攻撃よりも早く、
ハイアームズ殿のニ撃目がビクターを襲う。
「かたじけないっ!」
拙者は叫びつつその鎌をビクターに振り下ろした。
そのときになってようやくシフタとザルアが掛かる。
「ボウヤ、そういうのは終わる前にやってよ」
「い、いや早すぎて何がなんだか…」
Rose殿に揶揄されてユーグ殿はしどろもどろだ。
拙者は勤めてそれを無視し、ブラックペーパーの面々とグレイネルに向き直る。

「さて、実験は失敗でござるな、シェイド博士?」
拙者がそう言って目配せする。拙者くらいのアンドロイドになるとそういう芸当も可能なのだ。
「ん、ああ…どうやらそうらしいな。いや、こちらとしては政府のハンターズの実力の一端を垣間見れた。よい収穫であったよ」
シェイド=ウィケッドはそう言って肩をすくめるしぐさで後方にリューカを作り出す。
「こちらは退散しよう。あー、グレイネルとか言ったな」
そろそろと逃げようとしていたグレイネルが名を呼ばれ体を震わす。
「私たちはコレで失礼する。今回の取引はなかったことで。いや、やり直しは結構。互いに不幸になることもあるまい?」
そういうとシェイド=ウィケッドはもうグレイネルに興味がうせたとばかり首をめぐらせ仲間をリューカに促す。
やれやれ、これで一安心…と思った途端!
ぐぽん。という聞きなれた音と共に紫の塊が拙者の横をすり抜けていった。
「なっ?!」
見るとリリーが葉でELD殿を抱きしめ、こちらに向かってメギドを撃っていた。
拙者がとっさに鎌を振るおうとすると、なぜか頬に白粉をつけたELD殿が声を上げた。
「待って! ZANさん、後ろ後ろ!」
この非常時にドリフのコントということはない。拙者が振り返ると先ほど突き飛ばしたヒューマーがハンドガンを取り落としつつ倒れるところだった。無論、メギドの直撃のせいだ。
「ヒイッ」
グレイネルが短く悲鳴を上げてついに駆け出した。おお、あの体形からは考えられないほど敏速だ。
「…追わんでいいのか?」
リューカを閉め、ウィケッド殿がそう尋ねる。
「いや、拙者たちそこまでお人よしじゃないでござるよ?」
そう、逃げた先にはとんでもない人が待ってるのである。後に軍警察に収容されたグレイネルは恐怖のあまりマトモに口も聞くことが出来ず、ただ震えながら、ブツブツと繰り返し呟く事になる―――「あかいあくま」と。
断末魔の悲鳴がシャーウィン殿の怒声と重なって聞こえたのは、グレイネルが滝の間のシャッターを抜けたすぐあとのことだった。

「さて、あとは…」
拙者がELD殿の方を振り返る。するとELD殿は花を袖で丹念に拭いていた。ふき取った袖は白粉で真っ白になり、ふき取られた花は本来の赤い色を取り戻していた。
「ってまさかその花!!」
そう、それは拙者を打ち負かしたあの花本人(?)だったのだ。
「うん、そーだよー。すごいね、白粉塗ってオブリリーに変装してたんだね」
「フ、なるほど。それは懐いて当たり前、ということか。いや、よくやったぞ、花子」
ウィケッド殿がうんうんと頷きつつ花の方に近づく。と―――その頭が花弁に丸呑みされた。そう、あえて擬音語をあてるなら…「かぷり」である。
『おおう?!』
驚きの声をあげるウィケッド殿。なんだ、死んでないのか。
と、安心したのもつかの間。花はすっぽりとウィケッド殿の頭を丸呑みにしたまま、ブンとその首を振り上げた。当然ウィケッドの体も宙を舞う。
そしてそのままびったんびったんと右へ左へとウィケッドを打ち付け始めた。
『ギヤァーーーー!』
「わわわわ! やめてーーーー!!」
ELD殿の声も聞く耳持たず。まるで『キサマがわるいんじゃぁぁ!』といわんばかりの勢いでびったんびったんと打ち付けている。
「…止めなくていいの?」
拙者の横で倒した連中を怪しい縛り方で縛り上げていたRose殿がそう尋ねた。
「いや、拙者がいうても止まりそうになさそうでござるし、それに―――」
「それに?」
「いい薬でござろう?」
それからびったんびったんの刑はシャーウィン殿とフィロ殿が、原形をとどめていないグレイネルを引きずってくるまで続いた。
こうしてELD殿誘拐事件はその幕を下ろしたのである。


しかし、あの花、どうやってここまで来たんだ?(汗

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地下洞窟の取引 その1

「こちらユーグ、目標が現れましたー…でもやっぱりELDさんいないですねぇ」
『了解、そのまま見張ってて』
「りょーかい」
ユーグ殿はそういって無線を切ると、拙者達が身を隠す岩場の影に滑り降りてきた。
「でもおかしいですね。ELDさん居ないなんて」
「いや、思ったとおりだな」
ハイアームズ殿がライフルのセイフティを外しながら反論する。
「多分彼はまだパイオニア2の中に居る。取引条件が整ってからリューカーで呼び出すつもりだろう」
「あ、なるほど…でもそれだとパイオニア2のハンターズセクションのどこかにELDさんが居ることになりますよね?」
「そうとは限らない。ラグオルの別の地点で待機していてそこからリューカーで中継されたら厄介だ」
そう、たとえばまったく別の地点にやつらの本隊が居た場合。リューカー越しの追跡は非常に厳しい。
「じゃ、じゃあ…ギルドカードを用いた検索!…は、はELDさん、IDが停止されててダメだし…」
ユーグ殿は頭を抱えている。人間・フォース・男性。彼はまだ若い。人間としてもハンターとしてもまだまだ学ばなければならないことは山ほどあるだろう。
だがその柔軟な思考はけしてそれらを不可能にはすまい。
「まあ、実際にELDが現れるまで、手が出せないということね」
拙者の横で肩をすくめたのはRose殿という名のヒューキャシールだ。アンドロイド・ハンター・女性、通称:姐御、である。
「で、ZAN。ボウヤを奪い返した後、あいつらはどうするの?」
言外に『当然、タダではすまさないわよね?』といっている。
「いや、基本的には手出しはしない。禍根を残して今ここに居るメンバーが報復されても厄介だ。やつらには運が悪かった程度に思っていただこう」
「なにそれ? 甘いわよ。そんな連中一網打尽にしちゃえばいいじゃない」
「組織の規模がわからん。それに相手側はいいとして取引相手の方がやっかいでござる」
拙者がそういうとユーグ殿が顔を上げた。
「それってブラックペーパーってヤツのことですか? たしかに凄腕のハンターがそろってるって聞いたことあるけど…」
「うむ、超一流といっていい」
拙者の言葉に二人のベテランハンターも同意する。
「猟犬キリークね…たしかに厄介だわ」
「まあ、やつらとは個人的には事を構えたくはないね」
ユーグ殿はちょっと眉をひそめた。
「なんか、ずいぶんと慎重ですね、お二人とも…」
そのうち判るでござるよ、ユーグ殿。
拙者は現在場に居る3人を注意深く観察する。
一人は小太りのレイマー。手に持ってるのはSニードル。高速で広範囲をカバーする厄介な兵器だ。
もう一人は痩せぎすのヒューマー。手にしているのは使い込まれたグレイブ。
最後の一人が大柄なフォーマーだ。
「フォーマーはともかく、後の二人は手練ね」
Rose殿が忌々しそうにつぶやく。確かにあの二人は装備といい、気配といいけして三流どころではない。
「えーと、あの大きなフォーマーは?」
「ボウヤ、観察力を鍛えなさい。あれ、どうみてもフォーマーとしては体格よすぎない? どう考えても偽造IDのバッタモンよ」
「え、あ、ああ」
ローズ殿にいわれて、ナルホド、とユーグ殿が頷く。確かにフォーマーの体格ではない。衣装も体にあってるとはいえないから十中八九ニセモノだ。
やつらは虹の滝の手前まで来ると油断なく辺りを見回す。おあつらえ向きに、現在一本だけリリーが咲いている。実験にはもってこいだろう。
「フィロ殿の言ってたとおりか。あとはブラックペーパーの連中が来れば…」
拙者がそこまで言った時である。やつらが入ってきたのと反対側、つまりフィロ殿たちが隠れてるほうのドアが開き、3人の人影が現れた。
「どうやらこちらも来たようでござる―――なっ?!」
最後の「な」は驚きの声だ。それもそのはず三人のうちの一人は拙者の見知った顔であったのだから。
「はれれ? ZANさん、どーしてウィケさんが??」
それは拙者が聞きたいでござる。


入ってきたのは、やはり3人。一人が小柄なハニューエル。一人ががっしりとした体格のヒューマー。そして最後の一人が黒尽くめのフォーマーだった。
「ようこそ、プロフェッサー・シェイド。光栄ですな、アナタが着てくれるとは」
大柄なフォーマーがいそいそと歩み寄ると、形だけの笑顔を浮かべて大仰に頭を下げる。シェイドと呼ばれたフォースは肩をすくめて返事とした。
「なに、D因子の研究に関しては私に一任されている。適材適所だ」
彼はそういうと静かな笑みを浮かべる。
「それよりもこちらも礼を言う。なんでも貴重なサンプルをご提供いただけると聞いたが、それはアナタのことかな?」
先ほどの自分の物とは違う、心からの笑みをみて大柄なフォーマーは明らかに狼狽した。
「い、いや私はグレイネルという司祭だ。サンプルは別に居る」
「…なるほど? 後ろの二人のいずれかかね?」
値踏みするようににらまれ、後ろの二人も思わず一歩後退さる。

「……なんか、すっげー悪者っぽいよ、ウィケさん」
「……悪者っぽいでござるな」
「……格が違うわね」
「……ホントだね」

「この者たちは私のボディーガードだ!」
グレイネルと名乗った男が上ずった声で答える。
「フム。まあこの地下洞窟を一人で散策するような真似は感心しないからな…たとえばそうだ、そこの花。そいつはオブ・リリーといって致死毒を吐く。どんなハンターでもイチコロだ」
判りきった講釈をしながら、シェイド=ウィケッドは肩をすくめる。
「だがその花を意のままに操ることが出来るとしたら? それは大変興味深い」
先ほどと同じ暗い笑みを浮かべる。
「もしそのような技術を研究するサンプルを頂けるなら、我々とそちら、双方にとって有益な取引となることをお約束しよう」
「あ、ああ。そうでしょうな。私もそうなると願っていますよ」
グレイネルが合図をすると、後ろの小太りのレイマーがリューカを唱えた。
「お渡ししよう、貴重なサンプルだ」
そういってリューカの中から現れたのは簀巻きにされ、気を失ったELD殿を担いだレイキャストだった。

PM:2:00 パイオニア2ハイランド

退院した拙者は行きつけの店、パイオニア2ハイランドにいた。
といっても、絶叫マシーンが設置されてるわけではない。中はシックな英国様式の店作りで、昼はレストラン、夜はバーとなる。
「ああ…いらっしゃい」
中に入るとカウンターからマスターのハイアームズ氏が柔らかい笑みで声を掛けてくれた。
拙者がカウンターの席に座ると、マスターは無言でいつものを出してくれる。
「…災難だったな」
ぐっ。むせそうになった。
「し、知ってるでござるか?」
「知ってるも何も、巷じゃちょっとした噂になってるよ?」
「…ビー玉で転んだ、ということじゃやっぱり」
「無理があるね」
ずばり、と指摘された。むぅ。妙案だと思ったのだが。
拙者が頭を抱えてるとドアが開き、新たな客が入ってきた。
「ワッフー」
あ、客じゃなくて犬か。
「犬いうな!」
「口に出してなかったのでござるがな。…お手」
「ワフ」(たしっ)
「…犬だねぇ。ラフくん」
「犬でござるな」
「はッ、俺はいったい何を…」
拙者の横でみごとに『お手』をして懊悩しているのはラファエル。(一応)人間=レンジャー=男。かなり犬属性が強いがそれなりに名の通ったハンターズギルドのメンバーである。
「そだ、思い出した、はっとりん!」
なぜか一部の人間は、拙者のことをこう呼ぶ。なんででござろう?
「ELD君が行方不明なんだって!」
「は?」
拙者はそこでようやく、三日前の事情聴取から彼が自宅に帰宅してないことを聞いた。
「…よもや嫁が怖くて逃げ出したなんてオチはないでござろうな?」
「ワフ? それはないと思う。ほら、らぶらぶだから」
「らぶらぶでござるものなぁ」
…あの花がらみか?
「マスター」
拙者が声を掛けるとハイアームズ氏が静かに頷く。今までの柔和な顔の下で、彼の本来の職業、ハンターズとしての顔が目を覚ます。
「ちょっと調べてみよう。”裏”でなにか情報が流通してるかも知れない」
「”裏”でござるか…」
「そうだな…ウィケッド氏にでも連絡してみては?」
「あー。すまん、それちょっと無理でござる」
「?」
「…明日くらいには連絡着くと思うでござるが…」
拙者は遠い目をして答える。まあ確かにハカセなら何か分かるかもしれん。
「む、電話でござる」
拙者は通信端末をとりだす。本来、アンドロイドは内蔵されてる通信端末で事足りるのだが、拙者は趣味で端末を持ち歩くようにしている。…い、いや別にWEBアプリで遊びたいとかじゃないでござるよ?
「もしもし?」
『あ、フィロです。ZANさん、今どこ?』
「拙者ハイアームズ氏の店にいるでござるよ。ELD殿の件か?」
拙者が訪ねるとフィロ殿はとうとうと話し始めた。ELD殿があの悪名高いブラックペーパーと取引のある裏組織に拉致されたらしいこと。取引が今日、行われるということ。その場所と時刻ーーー。
「分かったでござる。とりあえずハカセにーーーああああ」
『どうしたのZANさん?』
「い、いやこの手のことならあやつに詳しいことを調べさせればよいと思ったのだが…」
『うん、ボクもそう思って何度か呼び出してるんだけどぜんぜん繋がらなくて……』
心底疲れた声でフィロ殿が言う。うう、すまぬ、フィロ殿。
「すまぬ。…あやつは今、多分取調室にいると思う」
『!?』
電話の向こうでフィロ殿が息を飲むのがはっきりとわかった。さすがに兄弟のこと。ショックも大きいでござろう。
『兄さん、また何かやっちゃったの?!』
…慣れてるのね、フィロ殿。

退院の日

その日になって、いや正確に言うなら退院の手続きをするためメディカルセンターの受付窓口に立って初めて、自分の所属するチームが変わっていることに気がついた。
「D因子研究所???」
どこかで聞いた名前だ、いやぁな予感がする。
拙者のいぶかしげな顔を見て、受付嬢が怪訝そうにまゆをひそめる。
「あのぉ、なにかぁ?」
「あ、いや、拙者の所属チームは抹茶のはずなのでござるが」
「えぇっとぉ、でも書類上はそうなっているんですがぁ…」
妙におどおどした態度で書類と拙者の顔をくり色の眼で行ったり来たりしている。ニューマン特有の長い耳もせわしなく動いている。むう、拙者そんなに怖い顔してるか?
「まあ、データ不備かなにかでござろう」
データ改ざんした下手人が脳裏に浮かぶ。得意げに顎をさすり、「フフン」と鼻で笑っている。
「フフン♪」
そうそう、ちょうどそんな感じ…って?!
「ハカセ…やはりお主か……」
この男、ウィヶッド。通称ハカセ。人間ーフォースー男。暗黒属性が高くそれを身にまとう黒い装束で表している。
ちなみにフィロ殿の双子の兄に当たる。まさに陰と陽、月と太陽、シャドームーンとブラックサンな関係である。
「そのとおり、いや、あっけなかったぞ、こう、お主が担ぎ込まれたときにちょちょいとな」
不敵に笑いながらいう。
「いや、しかしお前が地に伏せるとは思わなかったぞ、あの花、研究に値する」
「拙者はビー玉に足を取られてひっくり返っただけでござるよ。それよりーーー」
拙者は受付嬢からカルテを借り受けてウィケッドに突きつけ、小声で訪ねる。
「これはなんの冗談でござる? 文書偽造までしてーーー」
「うん? 文書など偽造していないぞ?」
不敵に言うウィケッド。なぜかゴゴゴゴゴという地鳴りのような効果音。
「言っただろう? おまえが倒れたときにと」
いかなる威圧感か、拙者と哀れな受付嬢はまるで蛇に睨まれたカエルのように動けない。
いや、正確には拙者ちょっと呆れててなにも言えなかったって感じでもあったのだが。
「まだわからないのか? 自分に何が起こっているのか?」
効果音がエレキギターのギャウゥゥウンという音を響かせる。
「な、なんだというのでござる?」
「ワタシは文書は偽造していないといっているのだ」
「ま、まさか?!」
思わずそう口にしてから拙者は慌ててシステムをチェックする。
show config

files=80
buffers=10,0
stacks=9,256
device=himem.sys
device=EMM386.EXE RAM
devicehigh=biling.sys
devicehigh=jfont.sys /p=
devicehigh=jdisp.sys
devicehigh=jlang.sys /gozaru jlang.sys
devicehigh=kkcfunc.sys
devicehigh=ansi.sys
OS=HIGH,UMB
.
.
.
.
.
rem set team=抹茶
set team=D因子研究所


「ぐはっ! か、かかか、改ざんされてるーーー!」
「フハハハハ!」
ウィケッド、高笑い。拙者はぐらりとめまい。受付嬢は…あ、もう泣き出しそう。
「そう! 貴様のコンフィグはこのワタシが改ざんした!」
「く、こんなものはすぐ修正して---!」
「あ、ついでにフラッシュメモリのジャンパーを書換不可にしといた」
ドッギャーン
「な、おまっ! ちょっと待つでござる!」
「ちなみに貴様のシステムは起動中にそのジャンパーを交換することは不可能!」
バッとてを広げて謡うように宣言するウィケッド。
「さらに貴様の家人はボケ老人と機械音痴のFO坊や! つまり自宅で直すことも不可能!!」
広げてた手をババット自分を抱くようにたたみ、くるりと回転するウィケッド。
「つまり貴様は今や完全に我が掌中におちたのだ!」
ビシィっと拙者(たち)の方を指さすウィケッド。JOJOか、お主は。
……あーあ、受付嬢引きつっちゃってるでござるよ。
まあこの男、根はひね曲がっているが、悪いヤツではない。…悪さはかなりするが。そうだ、この間だってうちのジジイレイマーDANと極幻4を受けて二人で進んでたら、最後の最後で回線オチやらかしてくれた。おかげでボス相手にDANが一人で四苦八苦。「危うく済度するところじゃったぞい」と呻きつつ帰ってきたばかりだっけ。
「で、いったいナニがしたいのでござる?」
「うむ、実験体…いや、運用試験を手伝ってもらおう。なに、さして危険ではあるまい」
いや、じゅーぶん危険だと思います。それになにさ、実験体って。
「…まあ、分かった協力はしよう」
「よろしい! ではこれらにサインを!」
懐から幾枚かの書類を取り出して受付カウンターに並べていく。おいおい、カウンター占領でござるか。受付嬢もなにか注意を…ってのも無理か。震えちゃってるし。
「♪~」
鼻歌交じりでカウンターに書類を並べていくウィケッド。普通で異様な風景である。
「さ、書きたまへ!!」
「………」
差し出された年代物の万年筆を手に取り、拙者は書類をみやる。
「『はじめてのD因子』『研究所内心得』『チーム所属誓約書』…いろいろあるでござるな」
「まあ、気にするな! ーーー大きい声ではいえないがこれでも一応政府機関なのでな」
拙者はそんなものか、と思いつつ書類をチェックしていく。
「さあさあZAN! 細かいところは気にせず、ぽぽんとサインをしてくれたまえ!」
気にする。つか、絶対気にする。
「…ハカセ、ここの『負傷時における所内手当てについての合意』部分、削除でござる」
「え?」
「それからこの『研究時体験調査誓約』と『実験時の全般的合意』の中、部分削除でござる」
「な! まて! おまえ! それでは意味が!!」
待つものか。
「ハカセ、拙者の知る偉人、ヒースクリフ・フロウウェン殿もこうおっしゃってる…『実験体だけは死んでもなってはいかん。つか、なったら死ぬ』と」
「そんな過去の偉人引っ張り出すな~~~っ!」
声を上げるウィケッドをさらりと無視して、拙者は万年筆で必要と思われる部分にがりがりと訂正線をいれていく。小さい字でかかれた書類の至るところに線が引かれていった。
「ふむ、こんなところでござるか」
拙者は全体をざっと見直すとレーザー刻印でサインを付け加え、ウィケッドに手渡す。
「あああああああ! …ああ! ………あああああああ!」
訂正部分を見るたびにウィケッドが奇声をあげる。ふむ、そろそろ潮時か。
「もし、すまぬが」
拙者はカウンターの隅っこに退避していた受付嬢に声を掛ける。まるで小動物のように震える彼女をできるだけ怖がらせないように、端的に用件だけを述べる。
「ここの支払いはチームにつけておいて下され」
「は、はいぃ」
「それから警備員は拙者が行った後にして頂けると助かる。では」
それだけ言い残すと拙者はいまだ書類と睨めっこして奇声を発するウィケッドの横を抜けメディカルセンターのドアを抜けた。
すれ違いざま屈強なガードマンが走っていったが、後のことは拙者のあずかり知らぬことでござる。

見知らぬ天丼

「―――さん。―――さん」
「う、ううう…おのれミャンマー柳生一族め!」
「あ、起きた!!! ZANさん!!」
「んあ?!」
拙者はガクガクとフィロ殿に揺さぶられていた。いや、ちょっと、く、首が痛くなるでござるっ。
「よかった~~~~~」
ああ、フィロ殿、そんなにも拙者の心配を…。
「もうすこしで身内から犯罪者を出しちゃうかと思ったよぉぉぉ」
…そっちでござるか。いや、フィロ殿? おぬしの兄(ハカセのこと)は充分に、いや、十二分に犯罪者でござるよ? 多分、ばれてないだけで…。
ともかく拙者はセルフチェックプログラムを走らせてすかさず状況を把握する。
cpu_chek...ok
ram...1024kb
system...ok
うむ、ソフト面は問題はござらんようだ。しかし…。
拙者は延髄に受けた損傷のほか、各部に傷を負っていた。隙を突かれたとはいえ、あまりにも無様な敗北である。
「負けたのでござるな…不覚」
いや、隙を作ったこと自体、拙者の弱さでござろう。武人たるもの、いついかなる時も気を抜くなどという事があってはならないのである。
「そういえば、ELD殿はどうなったでござる?」
拙者はあの時引きずられていたELD殿のことを思い出す。
「うん、秋子マスターがリリー捕まえてくれたから。ELDは今、軍に事情聴取受けてるよ」
「そうでござったか、いや、さすがマスター秋子…って軍に捕まったと?!」
「マスター秋子っていうと顔だけ残して体竜巻にして突っ込んできそうだね」
「んなことどうでもいいでござる! それより!」
「ああごめん。つかまったってのはないよー。任意同行で出かけただけだから。すぐ帰ってくるよ」
「そうでござるか…」
拙者がほっと一息つくと、病室のドアがバンと開いた。
「はっとりん!」
拙者のことをこう呼ぶのは一人しかいない。ハニュのVIVI殿だ。
彼女こそ、ラグオルでも誰も見たことがないという(伝聞)レインボーコンドリューが落とすという(推定)スロットアイテム、「ヘヴンリー/美形」を捜し求める探求者、別名永遠の美形狩人である。
「はっとりん、突っ込んできたダンプを投げ飛ばした後、タタラを踏んで電信柱の角に足の小指思いっきりぶつけて入院したんだって?!」
「誰がんなことで入院するかっ! つか、パイオニア2に電信柱はござらんっ!!」
ないと思う、うん。多分。
「まあまあ、ホラ、元気が出るように天丼つくってきてやったぞ!」
「…なんで天丼?」
「あれ? これ出すと『わたしがやりました』って全部ゲロっちゃうんじゃないの?」
「…VIVIちゃん、それはカツ丼だよ?」
「ほえ?」
「それ以前にここは病室で、取調室ではござらん」
と、それで思い出した。
「と、ELD殿は大丈夫でござろうか?」
「うん、事情聴取といってたから多分今日のところは…でもZANさんの口から一件が明らかになったら…」
フィロ殿が顔を曇らせる。無理もない。確かに拙者が何をしたか、何があの場であったかは拙者がしゃべってしまえば一発である。だから―――。
「フム。VIVI殿の言うとおりでござるな」
「ほええ?」
「拙者は足を滑らせて、頭を打って入院したと、そういうことでござる」
「ZANさん…!」
「じゃあ、やっぱダンプを―――」
「だぁっ! そこでダンプと電信柱は要らんのでござる!」
なにかいいたそうにしているVIVI殿を黙らせて、拙者はフィロ殿に向き直る。
「大体、現役の高Lvハンターがミルリリーにやられたなんてなったら、カッコ悪いでござろう?」
拙者の言葉にフィロ殿は泣き笑いになりながら同意してくれた。うむ。コレでよい、コレでよいのだが…。
「ところでウチの連中は…見舞いにはきてないでござるか?」
拙者の言葉に答えたのはVIVI殿であった。
「あ、DANじいちゃんならさっき廊下であったよ? 『ナースさんじゃーーー!』とか言いながら駆けてったけど…」
「…アノジジイ」
傷の後遺症か、痛む頭を抑える拙者の頭上、看護ベットのIDタグがある。
その時、拙者はまだ気がつかなかった。拙者の所属チームがいつの間にか、ハカセのそれ、「D因子研究所」に書き換わっていることを…。




「ところでZANさん、ミャンマー柳生って、ナニ?」
「…さ、さぁ? なんのことでござろう?」

燃え尽きたでござる。真っ白に

Hucast ZANは PSOマッタリチャレンジロビー通称:抹茶に所属するチームメンバーである。
彼の所属する抹茶は初心者にPSOチャレンジモードを理解してもらおうとする秘密結社である。
初心者の足を引っ張らないようにする為、彼は日夜戦い続けるのである。
(声:中江真司)

その日、拙者はZAN試験型で2回目のEP2チャレンジを終了させた。自分のキャラで2周。そしてヘルプで入ったものも含めれば3,4周はしている計算になる。そろそろHucast以外のキャラもやらねばなるまいと考えてつつ、カウンターに向かうと、今回は普通に鎌をもらえた。よかった…。前回はハカセが裏から手を回してヘンなものがきたからな…。
もらった鎌を手にロビーを出ると拙者のセンサーアイに正気を疑う物体が飛び込んできた。
リリーである。パイオニア2の中にリリーが、それも高速移動でこちらに迫ってくるのでござる。
(何のことだか良くわからない諸兄はELDさん家の日記(http://pub.ne.jp/feerya/)を参照されたい)
よく見ると首(?)にリードがついており、そのリードの先には手首が絡まったまま空を舞うのは…ELD殿?!

「とぉぉぉぉめぇぇぇぇてぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇえぇ!」

う、うむ、なんだかよく判らないが、あい判った。
―――大方シャーウィン殿あたりに散歩に連れてくように言われたのでござろう。無茶言うなぁ…―――
幸いここには新品のGRIDE SCYTHEがある最初の錆にしてくれよう。ククク。
迫り来る花! 拙者は足幅を開き、腰を落とすと、受け取ったばかりの鎌を背に回すように構える。
―――見切った!
狙うはその首。斜め下から鈍い光が駆け上がる。が―――
「?!」
その一撃は葉によって受け止められていた。馬鹿な?! ESウェポンが葉ごときに?!
リリーはつぼみをすぼめて「チッチッチッ」と舌打ち(?)するともう一方の葉をひらひらとさせて『やれやれ』という顔(??)で首(???)をふる。
「―――!」
拙者はすかさず後方に飛び退く、とその足元にメギドが炸裂する。
チッ
今度の舌打ちは悔しそうだった。
「ふ、残念でござるな。その攻撃には慣れているでござる…ハカセのおかげでな!」
拙者はもう一度懐に飛び込む。メギドは離れ際に放った。近接して攻撃を続けないとまた食らいかねない。
死の匂いの風を巻き、鎌がリリーに迫る。薙ぐ、払う、叩く。
だがその一撃をリリーが葉を巧みに使い、いなす、交わす、防ぐ。
―――この花
拙者は違和感を感じつつ攻撃を続けていた。おかしい、いくらなんでも出来すぎだ。拙者の攻撃をここまで防ぐとは…。
後から知ったことだがなんでもこの花、ユギ殿が戦闘を仕込んでいるらしい。
その上この花、先ほどからESウェポンの攻撃を何度も防いでる。おかしい。最強であるはずのESウェポンが何故ここまで防がれるとは…。
「!!」
拙者はそこで自分の間違いに気がついた。
そう、ESウェポンはまさに最強。だがその真価はグラインダーを大量につぎ込みむことで発揮される。
つまり、今現在この鎌はそこそこ程度の強度しかない。その上、拙者自身もロビーに出てしまったのでマグすら身に着けていないのである。
その一瞬の逡巡が全てを喫した。
鋭い葉の一撃が拙者の延髄をべしん、とひっぱたいたのだ。
「…くっ、不覚…」
システムダウンしていくさなか、拙者は見た。秋子飯店の女マスターが中華なべとお玉を持って駆け出してくるのを…。

MはマインドのMじゃない、と思うでござる

今日はまた、ハカセと女性FO、バサラ大日如来殿と一緒にラグオルに降りた。というのもバサラ殿がついにVH入りを果たしたので、それなら一緒しようということになったのだ。
場所はHS計画(ところでコレってなんの略なのでござる?)のクレーター。地下砂漠と南ルートそれらを終えた後、極幻4を行ったのである。
収穫は凄まじく、水晶・セレクトクローク・飴・Hパワーであった。もっとも、肝心のV501などは影も形も見えなかったが…。
そんな中、今日はハカセはある実験を行っていた。
グライドデヴァインという杖が、ラグオル転送後10分間装備していると「使う」コマンドが現れ、特殊な使い方ができるというのだ。拙者とバサラ殿が南ルートに進むと、ハカセは一人(間違えて)地下砂漠へ向かった。
そして10分後、バサラ殿が通信で時間が来たことを伝える。
「ハカセ、10分たちましたえ」
『ふむ、了解だ』
言った途端、無線機に内蔵されたライフゲージが突如として減少した。ゲージが真っ黒に塗りつぶされる。だというのにハカセは
『おお!』
歓喜の声を上げた。・・・M?
拙者の横でバサラ殿も同じようにグライドデヴァインを「使う」。するとーーー「ごっ」っという音と共に一気にライフゲージが減少。
「うわ、すごい」
そう、これがグライドデヴァインの特性。ライフゲージを1にするのと引き換えに全TPを回復するのである。
自分にレスタを掛けつつ、バサラ殿がしきりに喜んでいる。
「すごいでんなぁ」
京言葉でやんわりと言う。
『ああ、まったくだ』
その後、拙者も戦闘を続けながら考察する。なるほど、HP1になるということはダメージでいきなり極限状態になるのと等しい。そこで無敵効果を発揮するマグと組み合わせ、うまく発動することができれば…戦闘突入前に使えればかなりのアドバンテージになる。TP全快となるとトリフルイド一個分のうま味しかないがそう考えるとたとえフルイドがなくともTPを完全回復>レスタ>10分>TP完全回復…と永久機関モドキなことができそうなものである。拙者は門外漢であるが、ここにさらに回避型TP回復タイプのFOであればさらなる永続性が得られるのではないだろうか?
ううむ、うらやましい。自分のHPを強制的に1にするということのメリットは無敵マグであれば計り知れない。しかも無敵+回復系のレアマグならなおさらだ。
だが、拙者がもしHucastが装備できる武器でこうした効果のあるものを手に入れたとして、役に立つかというと甚だ疑問である。
それは拙者の戦闘方法が基本的に多彩な武装の変更を素早く行うことに特化してるからである。
遠方の敵には銃を、近接単体なら棍を、近接複数ならブロードソードを用いる。これらの切り替え、プラストラップを用いることを信条としている拙者としては[一つの武器]を[一定時間]、[つけっぱなし]等ということはありえないのである。
そんなことを考えつつ戦闘を続けていて、はたと気がついた。
「ところでハカセ」
『なんだ?』
「…HPが上がらぬのだが?」
そう、ライフゲージを見る限り、ハカセのHPが回復する気配がない。
「兄さま…やっぱりMでおすな」
やんわりとした京言葉ですっぱりと言い切るバサラ殿。
「うむ、Mでござるな」
拙者も同意するとハカセが唾を飛ばした。
『な、なにをいうワタシは天才だ!』
訳が分からん…。
「じゃあ、…ドM?」
「ドMでござるな」
『……』
しばし痛い沈黙。その後、天災は突然叫んだ。
『MはマインドのM!』
うわぁい、ひらきなおりでござる。
が、その後がいけない。
突然ハカセの名前表示が赤文字に変わった。
これはつまり、HP0を示す。
まあ、1と0じゃゲージ上では見分けがつかない。
「……」
「……」
しばしぼう然とする拙者とバサラ殿。
『くっ、ゆ、油断した』
「Mでんな」
「Mでござるな」
『MはマインドのMだ!』
それはわかったから。
「で、ハカセ、何にやられた?」
『………トラップに』
「………ドMでござるな」
「………ドMでんな」
『え、Mはーーー』
「で、兄さま。スケープドールは?」
『………………………もってない』
「………………………ハカセ」
「………………………兄さま」
拙者たちは声を合わせていった。
「「絶対、M」」

さて、どうしたものか

今日はちょっとだけ、まじめな話でござる。
先日、PSOBBのEP4でID別レアアイテムドロップテーブルが期間限定で変更になっていた。と書いたのだが、それが永続になった、というアナウンスがあった。
様々なところに衝撃を与えた形になったようである。そらそうだ。いままで全然でなかったレアが一挙大放出状態。それが期間限定であれば「このときこそは!」と皆でこぞって参加するイベントにもなる。
が、それが永続となると話は変わってこよう。
そこらへんの憤りについてはELD殿のページに詳しい。彼の御仁のおっしゃるとおりなのでござる。
(トラックバックはELD殿のブログから頂いてます)
冷却期間をおかれるというのももっともな話だと思う。
そこで拙者はどうするか? 自分のことを考えてみた。
結論は「なにも変わらない」ということだ。

お祭り騒ぎだったあの14日間、あれはアレで楽しかったではないか。
祭りは終わった。永続になる、といわれても魅力を感じる部分とそうでない部分があるのは否めない。
もともとのテーブルのドロップ率は余りにも悪すぎたと思うし。

まあ、個人的には「どうでもいい」「むしろマシになった」程度かも。というのが実際のところ。
さすがに限定期間ほどはドロップ自体の確率がないようだし。

今回の一件はたしかにユーザーを裏切る羽目になってしまったと思う。いままで血道を上げてレアに挑み、玉砕していた日々。艱難辛苦を乗り越えてようやくレアを手に入れた時の感激。そういった思いを踏みにじった。失望したユーザーのPSO離れ、コレが一番の問題だと思う。
最初の告知の段階で。ああした期間限定のイベントとせずにおけば、また話は変わったのではないだろうか?
「以前から問題視されていたドロップ率を見直すため、テーブル自体を更新したい。ついてはユーザー感謝の為、変更後一定期間のみ、ドロップ率をさらにアップする。」そのような告知で最初からなされていれば、ここまでの拒否反応は起こらなかったのではないだろうか?

PSUの発売時期延期も絡んでるのではないかという憶測もある。
とかく後発のゲームのためにないがしろにされるのではたまったものではないと思う。
そうした思いからPSOに対して醒めてしまうユーザーが出ても全く不思議ではない。つか、おこってるし(汗。

真実はわからない。だが事実としては、そうした事態が起こった、ということだ。
だがそれは拙者自身にはどうでもいいこと。なのである。なぜか? 拙者自身がそうしたIDを狙って作ってないキャラだというのが一点。RPGとしてござる口調のHucastを楽しめればいいというのが一点。
なにより楽しい仲間たちがあそこには居るというのが一番の点だ。

だから、不満に毒を吐きつつ、同調したり、なだめたり、傍観したり、あおったり、それでいいのである。
まあ、レアドロップはおいしくなったのだ。頂けるものは頂いておこう。(ちゃっかりと)


あ、あと、ドロップ別IDでキャラ作ったって憤慨話もあるけど、PSOの場合、その目的IDのキャラで部屋さえ作れば、その後キャラクター交代で入れ替わっても問題ないので、最悪トモダチに部屋作ってもらって…という手は使えたりするんだよな(爆



なに? 友達が居ない? それはおぬし、オンラインゲームの楽しみ方を間違ってると思うぞ?(汗

ちょちょいとメモメモ、そして驚きの新展開

先日でID別レアドロップテーブル変更期間が終了。皆様お疲れさまでござる。
かくいう拙者も昨晩はまともに潜ることもせず擦り切れてロビーでだべってばかりでござった。

まあ、普段敬遠しがちなEP4を結構回ることで各種エネミーの多いクエ等をまとめておこうと思う。
もし気がついたことがあったらこっそり耳打ち頂ければ随時、加筆修正するでござる。

モンスター別最多出現クエスト
ゼ・ブータ(長男豚)…南ルートで多数発生。
ゴラン・デトナータ…極幻4にて多数発生。クエ自体も短いのでお勧め。
ギルタブリル…………極幻5にて3匹、極限4において2匹。終盤に登場。効率的には
          極幻4のほうが早いし、無難だと思われる。

って書きなぐりなぐっていたら号外が飛び込んできた。
ぶ、な、おま、ちょっとまつでござる!
>2月28日(火)から配信を行いましたEP Ⅳのレアアイテムドロップテーブル変更につきまして、
>ご好評につき、このアイテムテーブルを採用とし、配信を永続化致します!

Σ( ̄□ ̄;) マヂでござるか?!

>(尚、本日の配信において、さらにこのレアアイテムドロップテーブルの一部を変更しております。)

んな?! じゃ、じゃあ今後ラムダージャン狙おうと思ったら本気でグリニルで掘るしかないのか?!
「ふぉー?!」
あ、じじいが狂った。
えーと、他にもグライドディヴァインの効果範囲の調整。…広すぎたものな、アレ。
お、新B.Pクエのドロップ率も調整されてる! これはもうウサギ・ウサギ・ネコなどという
涙ぐましいドロップにはならぬということなのでござるか?!

ある日常

ZAN Side
パイオニア2内、公団分譲住宅にある一室。拙者は朝食の用意を終えてテーブルにつくと新聞を開いていた。
「フム、大きな動きはなしか」
総督の愛人問題事件以来、これといった事件もおきていない。平和はなにより、と思いつつも日々の刺激に物足りなさを感じる有閑ハンターであった。
と、その新聞からはらりと織り込みチラシがおちる。
「ん―――?」
広げてみるとID別レアテーブル変更表とあった。
「ほう、もうこんな物もでまわってるでござるか」
一人ごちると拙者は自分のIDを覗き込む。すでに廃王子やハカセたちの協力で目ぼしい欲しいものは出してしまっていた。
「フム・・・」
愛用の湯飲み―――脇に”雑学”と書かれている―――に茶を注ぎ、眺めるようにそれを見る。と―――。
「―――ム?!」

DAN Side
目を覚ますと、見慣れた天井があった。いつもと代わり映えのない、ユニット構築の天井。淡い黄色のカーテン、そのカーテンを透過する陽光。
ラグオルの周回軌道に乗ってから、パイオニア2では太陽光を時刻毎に光量を調整して取り入れている。
…今日も起きられたか。
DANはゆっくりと体に血が巡るのを確認すると麻布団をよけ、上半身を起こす。
「まだお迎えはなしか、ばあさんや…」
ぽつりと口をつく思いにかぶりを振る。
最近、目が覚めると自分がまだ生かされている、と感じるようになっていた。
高齢者のDANにとってこのパイオニア2への参画はけして容易な決断ではなかった。全くの片道チケット、帰れる当てはない。だが帰るべき場所もすでにない身だ。ならばこれまで自分が培ってきたものを後世に伝え、未開の地であるラグオルで暮らすことになる者たちの礎になろうと決心した。
皆が地表に降り、笑顔で暮らせるようになる。その日まで…。
ドタタタタ、スパーン!
「じじい、起きるでござるよっ!」
「うわぁい、ワシの哲学的モノローグだいなし…」
ワシはがっくり、じーちゃんショーックという目つきで居候アンドロイドを見やる。
だが熱い血の通ってないロボはそんなことはお構いなしに持ってきたチラシをDANに突きつける。そらもー目も血走らんばかりの勢いだ。あれ?
「とにかくこれを見るでござる!」
「…近すぎるわい」
目を細め、紙を遠ざけてやっとそれに書かれている文字を拾うことができる。
「キャンペーン期間のレアドロップ表かの」
「そうでござる!で、そこ、VHの下から3番目! お主のID!」
「…ラムダージャン………ふぉ?!」
「そう! ラムダージャンでござる!! レアの中の激レア! あれさえあれば固いバブータの肉を三枚におろすのも、サテライトリザードのうろこ落としも、アスタークのかぶと割りも思いのままという名剣でござる!!」
「その用途はどうかと思うがーーー」
「ええい、つべこべ言わずにさっさと掘りに行くでござる!」

Gelbe sorte Side
えーとぉ、昨日はスパロボを43話まで進めて明け方布団に倒れ込んだんだっけ…。
パイオニア2は娯楽が少ない。元々移民船団として限られた期間を過ごすためだけにつくられた施設で、無論町もあるし娯楽施設もあるしそこにはそれなりの遊びもあるが、やはり新しいものは早々生み出されていない。
だから趣味のレトロゲーを大量にアーカイブしてこの旅に参加した。暇つぶしは多いほどいい。だが最近はハンター業もそこそこにゲームに没頭しすぎている。自慢のタリスもほこりをかぶって久しい。
今日も眠い目を擦りながら目覚ましTVを眺め(占いカウントダウンは必須)ていた。するとーーー階段を降りる音を響かせつつ、じーちゃんがフル装備で降りてきた。フローズンシューター、スプレッドニードル、ヤスミニコフ9000、チャージグレイブ…そして愛用のブラウンのハンタースーツに過酸素呼吸装置のついたヘルメット。肩にはクロネコ型のマグ・シャトの黒ゴマ丸が浮いている。
「どしたのじーちゃん?」
「おう、ちょいと出かけてくるぞい」
「…なんか気合入ってるねぇ」
「うむ。これの所為じゃ」
そういって新聞のチラシを僕に見せる。そこには一ヶ所だけ赤いボールペンで丸がつけてあった。
「…へー、おじーちゃんのIDでラムダージャン出るんだ…っって、まって!」
僕はがしっとハンタースーツの襟を掴む。
「ぐえ、なにをする」
「じーちゃん、これ、ギルっちからじゃん」
「ギルっち? どこぞの英雄王かの?」
「…どっちにしても勝てないじゃん、そんなの。そうじゃなくてギルタブリル。地下砂漠の中ボスじゃん」
「あー。大丈夫大丈夫。ノープロブレムじゃ」
DANはちっちっちっとどこぞの私立探偵のようにうつむいた顔の前で人指し指を振ると、最後に顔を上げてニカっと笑って親指で自分を指し示した。いや、分け分かんないから、その自信。
「わしにはこのスプレットニードル改・しびれ丸がある。あんなやつらこいつでしびれさせてちょちょいのぱーじゃ」
それを聴いてボクはため息をついた。だめだ、全然分かってない。
「あのね、じーちゃん。あいつらは中ボスなんだよ?」
「ふぉ?」
「だから、クエスト受けても最後の部屋にちょーーーっとだけ出てくるに過ぎないからすっごく探すのが面倒な上、効率が悪いんだ」
「ふぉ…」
「その上、絶対取り巻きがいるよ、ゴランとかデトナータとか、それに………ヨーウィとか。じーちゃん、トカゲは銃きかないよね?」
「……ふぉ」
「うん、まあやるんだったら極幻5だろうけど…じーちゃん一人だとまず無理ね」
あ、顔色が悪くなった。スーツに勝るとも劣らない土気色だ。
「まあ、あれだ、ハカセたちに手伝ってもらえば?」
「そ、そうじゃのそうする」
「…あ、ボクお土産クレイオーでーーー」
いいから、と言おうとするとじーちゃんはダッシュで行ってしまった。ちぇっ。

我思う、故に我在り


拙者の名前はZAN。パイオニア2のハンター。クラスはヒューキャスト。
ギルドチーム抹茶所属。口調はござる。現在Lv181。
扶養家族として老人レイマー・DAN、引きこもり少年フォーマー・ゲルベゾルテがいる。
思うところがあって日々を綴ることにした。
それというのもELD殿やハカセのブログを見ると随所に拙者の見解と違うところが見受けられるからだ。
情報は一方から見たものだけでは正確なものとは言えない。
そこで拙者の観点から記したものを用意しようと思う。
それにより諸氏がラグオルに対してより興味を抱いて頂ければ幸いである。

これはラグオルに旅立った移民船団パイオニア2のハンターズの愛と涙と友情の物語である。